前々からこの乾徳山の噂は聞いておりましてとても登り甲斐のある人気のある山のようですね。そんな乾徳山にはいつかは登ろうと思っておりました。
そして新しい靴の感触を確かめるのにどこかイイところはないかなぁと模索した結果、一番最初に思いついたのがこの乾徳山でした。林道あり、森林帯あり、ちょっとした稜線あり、そして岩場ありと。なかなかのバリエーションですのでお試しにはうってつけかと思いました。その他の候補として・・・おっと、ここはレビューの記事ではなかったですね。そんな乾徳山、ただ登って帰ってくるだけですと長く歩いた際の感触がわからないのと今回のゴールである西沢渓谷の七ツ釜五段の滝を一度見てみたかったというのもあり、車で乾徳山登山口駐車場へ行き、乾徳山⇒黒金山⇒西沢渓谷と歩き、西沢渓谷からはバスで乾徳山登山口まで帰ってくるといったちょっとトリッキーなプランを立ててみました。本当は先週位に行くはずだったのですが予定が立たなかったのと西沢渓谷紅葉真っ盛りの観光客ザワザワはちょっと避けたかったのもあり今週になってしまいました。
■11月11日
ここのところこのヘッデンに照らされた登山口のシーンが多くなってきましたねぇ。立山もそうでしたし、那須岳もそうでしたね。立山、那須岳はご来光目当てでしたが今回はバスの時間制限があるので前倒し気味に登山開始です。
とは言っても登り始めてすぐにしらじらと明るくなってきます。まずは針葉樹林帯からスタートですがこの瞬間はとても気持ちがイイですね。去年登山を再開した当初はこの登り始め1時間ほどはただただツライだけでそう考えるとだいぶ体が出来てきたのでしょうかねぇ。
さらに明るくなり、広葉樹になってきました。紅葉が終わってもう冬が来てんじゃね?といった風情。まだこの時点では鳥も鳴いていませんのでしーんとした森をしずしずと歩きます。
そして唐松に変化して日が登りました。
遠くの山はモルゲン状態となっておりました。
駒止という場所に出ました。途中途中で旧林道のような古な場所もあり、甲州という場所柄ココで馬を降りて繋いでいたのでしょうか。そんな歴史的背景を想いながら歩きます。
錦晶水が現れました。じょーーーーーっとした勢いで水が出ております。ちょうどのどが渇いておりましたので小休止がてら飲んでみました。まったくクセのない味でした。旨いっ!ってほどじゃないですがやさしい山水でした。
錦晶水を過ぎるとぱーーんと開けた場所に出ます。国師ヶ原です。乾徳山の山容が現れました。ここからは道満尾根へ登ります。
なぜか木がなくなり、ぱーんと景色が見えました。んーーーっ!気持ちが良い!
そしていよいよ乾徳山の核心部分へと歩いて行きます。岩岩してまいりました。
そんな岩には冬季に登ったであろうアイゼンの跡がくっきりと。この傷はグリベルですね。すみません嘘です。
出た!一発目の鎖場。ちょっぴり緊張感。とはいえ傾斜と手がかり足がかりもありますので鎖は使うことはありませんでした。
矢印ありますがどう登るんですか??
これまでは晴れていましたがガスが湧きあがり眺望ゼロです。でもこの雲のうねり感ハンパないっすね。
こっち来たらバツって。ほんとバツでした。落ちたら即Deadです。そしてそんな矢印の方向に向かってもアレ?どこ行くの?と思ったら、
とつぜんハシゴを降りるようです。この突拍子もなさに思わず笑ってしまいました。
木の根っこの隙間に穴があいており、ここを踏み抜くとこれまた即Deadです。油断なりませんねぇ乾徳山ぁ。
そしてカミナリ岩。ここも細いですが足場もありなんとかクリア。いやいや面白い山です。
こういう岩もありますから気を付けましょう。怖いですね。
そして来ました鳳岩。これを登れば頂上です。乾徳山の主役とも言っていいラスボス感満載な岩が立ちはだかります。ガスを纏ってそれはそれは強烈な存在感を放っておりました。ちょいとひるんでしまいそうになりました。しかしこれを登らなければ乾徳山を語れません。
いろんな登山ブログやSNSなどを見ても傾斜の具合がわかりませんでしたので水準器アプリ導入にて水平を保った状態で横から撮ってみました。こんな感じの傾斜でした。ほぼ垂直と思われた鳳岩は意外にもまぁまぁの傾斜がありました。最初は鎖なしでと思ったのですがやはり必要な時があり鎖に頼りました。意外とあっさりと登ることができました。とはいえ緊張を解いてはイケマセンね。
乾徳山到着!眺望ゼロ・・・。でも素敵な山でした。楽しませて頂きました。しばらく休憩して黒金山へ向かいます。
恐らくこれが迂回コースにあるハシゴですが降りるのはなかなかに怖いものがあります。慎重に降りて行きます。ハシゴ場はこの後も出てきました。
岩稜帯を降りるとほどなくして水のタルに到着しました。ここからは乾徳山を降りる道と黒金山への道と分かれます。今回は黒金山を目指して歩きます。
今までの岩稜帯から一変して森林帯になり苔がイイ感じでした。
こうやって撮影に夢中になっていると方向を見失ってしまいます。気を付けないとイケマセンね。
10分ほど歩いた頃にちょっとしたピークでふと目に入った札。乾徳山北峰とある。乾徳山ってツインピークだったんですね?知りませんでした。
ガスの切れ間から大ダオの草稜線が見えました。あそこも歩いてみたいですねー。たぶん国師ヶ岳方面へ繋がってたような。テント泊装備で挑戦してみたくなりました。
こういうとこは慎重に慎重に。ガスってなかったら怖さ倍増でしょうね。
笠盛山を経て大ダオへの分岐へと到着しました。ここまでが長く感じました。おそらくシャリバテだったように思います。
そしてようやく黒金山へ到着致しました。景色も見えませんがしばしホワイトの世界を堪能致しました。ここでお湯を沸かしてカレーメシの予定でしたがだいぶ時間も押して来てるので赤飯おにぎりだけで済ませました。ここからは西沢渓谷まで下りメインです。赤飯が効いてるのか足がサッサと動くようになりました。
出たっ!ここでも牛首!那須にもありましたね。何で牛首という地名なのかなぁ。後で調べてみるとしよう。ここからの眺めを期待していたんですがガスが立ち込めておりますです。
牛首からは巻き道なんだけど地味ぃに登り返しです。ホント地味ぃに効いてきます。
そして紅葉台に着きましたが紅葉は既に終わっております。当たり前です。紅葉を避けて来てるんですからね!
紅葉台からは真っ逆さまに落ちる様な急斜を下ります。だいぶ足に来ている時間帯ですのでこれは最後とどめを刺された気分です。ひじょーにツライ時間帯です。
そしてようやく黒金山登山口に到着です。ココからは西沢渓谷遊歩道チャッピー歩きになると思いきや意外と普通の登山道でして、油断して靴紐も緩めてしまっていた為痛い目に合ってしまいました。
それでも七ツ釜五段滝のこのダイナミックな流れに圧倒されました。釜がデカイ!長い年月をかけて水と石でくるくると岩をくり抜いていったんでしょうねぇ。素晴らしいです。
約1時間弱でしょうか、このような道を歩き、勝手知ったる西沢渓谷入口に到着しました。
駐車場あたりが一番紅葉がキレイでした。
西沢渓谷入口バス停に到着し、
とりあえず時刻表を載せておきましょう。
山梨交通バスに乗り(本当は市民バスに乗りたかったんだけど・・・。)、
乾徳山登山口バス停で降りました。
いやぁ乾徳山、本当に楽しい山でした。樹林帯岩稜帯クサリ場ハシゴと飽きさせない演出に脱帽でございました。人気があるのも頷けますね。黒金山も晴れていれば高度感を感じるイイお山なんだと思います。紅葉台からの下りは今までにないくらいの急斜だったのでだいぶ膝にきます。程よい距離なのでゴールに西沢渓谷を選んだのは正解でした。大満足の山旅でした!