加波山に行こうと思い立ちました。
加波山には加波山神社があり、山頂にも社務所もあり、これはお参りしてご朱印も頂こうかなぁなどと考えておりました。そして地図を広げて見てみますと隣には燕山と足尾山そしてその隣には雨引山、きのこ山など。そして主峰筑波山まで繋がっていることに気が付きました。
こうなってきますとまた悪い癖が出てまいります。「繋がってるんだったら全部歩いてみよう。」と、よせばいいのにどうせならどうせならとどんどんエスカレートしていきます。ということでどう歩くかをいろいろと練ってみましたが、岩瀬駅前に車を置いて御嶽山、雨引山、燕山、加波山、丸山、足尾山、きのこ山、筑波山と歩き、筑波山薬王院コースにて下山。旧酒寄駅跡バス停からヤマザクラGOに乗って岩瀬駅へ戻るといったプランで行くことにしました。この全行程で30km、累積標高差3,000mと私にとってとてつもないプラン、果たして成功するのでしょうか・・・。
■2019年5月25日(土)
2時半に家を出て筑波山に着いたのは4時くらいでしょうか。ここが本日のゴール。ほんとにここまで来れるのかぁ?
これから歩く山々を右手に見ながら4時半前に岩瀬駅に到着して岩瀬駅前にある月極駐車場に車を停めます。月極駐車場?とお思いでしょうがこの駐車場の一部(7台ほど?)は日貸ししてくれておりまして、
車の後ろにポストが設置されておりこのポストの中の封筒(?!)に300円入れて車のナンバーを記入してポストに投函するといったシステムとなっておりました。なんともアナログですが貸して頂けるのですから助かります。駅の裏手に無料の駐車場がありますがコチラはつくばりんりんロードの駐車場ですので無料というのに惹かれましたがやっぱりここは自転車乗りの方が停める場所だと思いましたので遠慮しました。
準備を終えて、さ!まずは御嶽山から始めます。水戸線を越えたあたりで
日が出てきました。
すぐに登山口です。
修験道なのでしょうか?古を感じます。
程なくして御嶽山の山頂でしょうか。今一つはっきりしませんがおそらくそうでしょう。
岩瀬の町が一望です。ひんやりとした朝もやの中のこの空気感。イイです。やはり山登りは標高ではありません。
ここから雨引山までは採石場がいくつかありまして、その場所を縫うように(避けるように?)登山道が通っておりました。このような石置き場も。なので登山道と車が通れる林道とが時折交錯するといった感じです。
これまた程なくして雨引山に到着しました。
立派なあずま屋もありお弁当食べるのにイイ感じですね。御嶽山雨引山はハイキングコースなのでしょうね。途中にもベンチやテーブルなどが点在しておりました。
そんな標高400mくらいの雨引山ですがこのようなスバラシイ眺望を見せてくれました。遠くに筑波山が見えます。この時はまだ「あ、これからあそこに行くのね」くらいにしか思っておりませんでした。
筑波山系というのは広い関東平野に突如として生えたようにあるので山頂から他の山々を見るということではなくてこの平野部を堪能するというのが筑波山系における正しい眺望堪能のお作法なのでしょうか。とにかくこの平野感がもの凄いですね。平野感というよりココは田んぼ感といいましょうか。なんかだいぶ何言ってるか分からなくなってきましたが、そんな田んぼは川沿いに存在するということがこの絵をみるとよくわかりますね。(なんのこっちゃ)
さ、気をとりなおして5月の新緑の中に身を投じて体中に蔓延る腐りきったなにもかもを解放しましょう。とまたまた怪しい文になってまいりましたが、この新緑の中に一日中居れるということにとにかく喜びを感じておりましたということが書きたかっただけです。
そんなすばらしい雨引山の次なるお山は燕山です。そうですね、つばめ?つばくろ?それともえんざん?となるところですがどうやら「つばくろ」のようですね。そんな燕山は標高700mほど。なので300mも登らなくてはなりません。本日最初の難関でしょう。
案の定、途中の登り坂の様子とか、そのまわりの情景など一切を切り取ることが出来ないほどそれはそれはツライ登りでございました。一瞬引き返そうとか、筑波山?無理無理とか、本当に見苦しい限りのネガティブ思想が頭の中を占拠しておりました。私はホントに登山が好きなのだろうか?と一瞬思ってしまうほどでございました。あ、これはいつものことですけどね。
なので瞬間移動したかのごとくいきなりの山頂写真デス。なのでうっかり山岳部をご覧の皆さんはあれ?途中の写真は?と思ったら「はは~ん、辛かったんだな」と思って頂けたらと思います。
そんな燕山からの眺望はほとんどありませんので先に進むとあずま屋がありました。活動開始から3時間は経ったでしょうかとりあえずそこで本格休憩に入ることにしました。靴を脱いで靴下脱いで短パンに変身してベンチに横たわり鳥の声を聞く。ひじょーにイイ時間。コレ、人が居ないからできたんだなとたった今気が付きました。とにかくココまで誰にも会っていません。こんないいとこなのに。不思議です。だからというわけではないのですがこのようにおじさんにはあるまじきタイツ短パンにもなれます。でもこれって靴に小石とか入りやすくなりませんか?なりますよね?でもまぁこの日は暑かったというのもありコレで行くことにしました。
あと、ここまで人に会わなかったということは人が通っていないということですので蜘蛛の巣吹き流しがすさまじいものがありました。顔にまとわりつく、手にまとわりつく。今どき言葉で言いますと本当に「ウザイ」です。
なので日焼けよけに持ってきたフェースカバーを装着してみましたらば全く気にならなくなりました。手にはグローブを装着です。それにしても怪しいおっさんですよね。
30分ほど休憩したでしょうか。前倒し気味に行動してたので出来ることなのですが靴下も乾いてとても気持ちが良いです。
行動再開して30分もしたら加波山神社に着いてしまいました。ここで初めて人に会いました。
なんともスピリチュアルな空間。しんと静まりかえっておりました。いや、実際は鳥も鳴いていただろうし虫も鳴いていたと思いますがなぜか静かだと思ってしまうあたり不思議な感覚です。
お参りをしてご朱印です。草鞋のお守りを頂きました。ありがとうございます。
このお社の脇の階段を上って加波山の頂上へ向かいます。
頂上へ向かう途中にいくつかの祠がありましたがどれがどれなのか分かりませんでした。頂上の三角点も見当たらなかったので一番高いとこに立っていたココを山頂としました。
そんな加波山を堪能したあとは丸山へ向かいます。その途中には大きな風車が。無風でしたので回ってはいませんでした。
二本の巨大風車を過ぎて丸山の頂上に到着しましたが、おそらくこれが三角点でしょう。どこかに標識はないのかと探しましたら、
道しるべ用の赤テープがありまして、
あれ?よく見ると字が書いてある。
コレかよっ!(笑)サイコーです丸山っ!これ書いた人もグッジョブです。
一本杉峠へ降りてきました。この「峠へ降りてきました」という感覚は登山を始めた当初、初めて高尾山に行ったときに違和感を覚えたのでした。小仏峠だったと思いますが山を下りて峠に着くというのがどうもしっくりこなくてなぜだろうと思ったのですね。よく考えると私は自転車にも乗ってたことがあったし、バイクにも乗っておりました。当然今では車にも乗ります。さ、そんな乗り物たちに乗って峠はどうやって着きますか?おおかた登って到着するものですよね?これ気づくのにだいぶかかりました。峠へ降りるという感覚は登山者だけのものなのでしょうね。(飛んでる人は別として)
そんな一本杉峠は先ほどの話にも出てきましたロード乗り、モトクロス乗り、ジムニー乗りの方々そして我々のような歩く人が交わるところなのでしょうね。ほんといろんな趣味の人がいらっしゃいますねぇ。大樹のわきに御影石で出来たゴージャスなテーブルとイスがありましたのでここで休憩することにしました。なんか休憩多いなとお思いでしょう。ここまでだいぶ前倒しでこの後の行程を考えますとなるべく休憩を多くとることを意識しておりました。
御影石は冷たくて気持ちが良いっ!お行儀悪くてすみません。
そして次なるお山は足尾山。舗装林道をしばらく歩くと山頂への登山口があります。
足尾山山頂に10分程で到着しました。出たっ!いきなりの山頂写真。ほらね途中の写真がないでしょ?そうなんですこの10分間はつらい思いをしていたのです。ほんと真面目につらかった。
山頂からはこのような絶景をば。すばらしいですね!景色はすばらしいんですが、ここまで来たのに筑波山はまだあそこか・・・。これをみてだいぶ萎えてきました。自分のスペックそして今時点での疲労度を考えてみて行けるのか?と真面目に考えました。とりあえずという言葉は登山者にとっては禁句のようなものだと感じていますのであまり使いたくはないのですがとりあえず筑波山の麓まで行って判断しようとこの時は思いました。
突然ですがスニーカーに履き替えです。え?結局やめたの?断念なの?いえいえ違います足尾山から筑波山の麓までの約8kmほどの区間は舗装林道となっておりまして、その為にこのスニーカーを持参してきておりました。8km約2時間舗装道路を登山靴で歩くのはオーバースペック過ぎるのと靴を替えることにより足への負担も減るとの考えからなのですが、ちょっぴりだけ考えたのはビブラムが減るのが嫌だったというのも・・・。せこいですかの。
途中にあったパラグライダーの発射台(離陸場?)。これは風裏の西側なので誰もいませんが東側はまぁまぁの数のパラグライダーやハンググライダーの方がいらっしゃいました。
ハンググライダーの離陸。こんな感じでした。意外と簡単そうに見えるけど実際はそうじゃないんだろうなぁ。
このような舗装林道を歩いて行くのですがカンカン照りではあったのですが程よく木陰になっておりたいしてヒートアップすることなくとても快適に歩くことが出来ました。
途中休憩所60mという看板があったのでそこで昼食にしようと思い入って行くとそこはきのこ山でした。あやうく山頂を逃すところでした。山頂にはあずま屋がありましたが人が居たのでそこで食べるのはやめておきました。
上曽峠に降りてきました。あ、ここは車道でもあるので車でも峠に降りてきましたという表現が可能ですね。あ、もうその話はいいですか?そうですか。わかりました。
上曽峠を突っ切り次は湯袋峠へ。ここからは舗装道路はあと半分。
湯袋峠に到着です。ここでしばし休憩および昼食です。しかしこの時点でマージンが無くなりました。オンスケです。おそらくこの先筑波山への600mちかい登りでは遅延してしまうでしょう。そんなことを考えながらおにぎりを食べて水を飲んだ瞬間、ハイドレーションが空になっているのに気づきました・・・。やっちまいました。また枯渇問題勃発です。
あ~ぁ・・・時間もなければ水もなくなっちまったぁ
えー、筑波山麓にて今後について考えた結果を発表致します。
ざざんっ!
続行致します。
まずは時間問題。これは山頂までは頑張って最悪ケーブルカーで降りてくるということもできるのでこれはクリア。そして水枯渇問題。途中にキャンプ場があり、ここで水を確保できれば大丈夫だけどもし確保できない場合はそのまま筑波山中腹を横切るように薬王院へ降りようというエスケーププランを考えました。なのでキャンプ場での水確保が大前提ということになりました。
そうと決まれば登山靴に履き替えだぁ!と意気込んでみたものの先行きの不安と疲労からほとんど体は言うことを聞いてくれません。
しかもこんな湯袋峠から筑波山へ登る人って年間何人?というくらいバリルーに近いくらいの山道なのでまぁまぁ鬱蒼としております。
400m付近まで登りましたでしょうか。途中眩暈がするほどツライ感じです。若干熱中症の前兆のような感じです。これはヤバいです。その昔熱中症で救急搬送され今夜が山場ですと医者に言われたことのある身としてはこの感覚はイヤな感じです。どういう感じかといいますと息を吸っても酸素が体に回らないもどかしさといった感じでしょうか。かといって息苦しいわけじゃないんです。息を深く吸うと一瞬手先がビリっとしびれたようになり頭をもたげただけで立ちくらみのように視界が狭くなるんですよね。
キャンプ場へ続く未舗装林道に出ました。そしてしばらく行くとキャンプ場に到着し、管理人の方に水を頂けるかを確認しましたら・・・。
ありがとう・・・。感涙。
沢水なので保証しないよとのことですがイイんです。がぶ飲みです。そしてハイドレーションに給水。生き返りましたがまだ立ちくらみの症状は治りません。これには頭の上下動は避けてゆっくりゆっくり歩いて行くしかありません。おそらく血液の状態がよくないのでしょうねぇ。
山頂直下50m付近までだましだまし登ってきました。ここから山頂までは九十九折となります。それにしてもココがあの筑波山の登山道か?と思うくらい静かです。
標高が上がったからなのかブナが目立つようになりました。そして山頂付近から人の気配がしてまいりました。もうすぐです。
そして15時半。筑波山女体山に到着致しました。何度も登ったことのある筑波山ですがこんなにもここに登って感動したのは初めてのような気が致します。計画より20分ほど遅延しておりますが下山予定時刻からバスの時間まで1時間ほど見ていたのでおそらく大丈夫でしょう。
いつもの景色。
いつもの景色。
いつもの店でいつもの飲み物。
いつもの御幸ヶ原からの眺め。ところが何気に今まで見てたこの山は今回全て歩いてきた山。ひじょーに感慨深いデス。
遠くにあの2本の風車が見えます。回ってますね。
そしてあとは男体山のみ。
なんとかここまで来ることができました。本日最後のピーク。男体山。
薬王院コースを下り、
途中、強烈な眩暈と戦いながら薬王院へ到着。
そして武装解除。
本日のゴールっ!
もう歩かなくていいんだよね?
陽があるうちでよかった。
ヤマザクラGOに乗り岩瀬駅へ向かう途中ではこれまで歩いてきた山々をプレイバックすることが出来ます。これがなかなか楽しい。まずは筑波山。
そして加波山に雨引山。
ありがとう、ヤマザクラGO!
岩瀬駅に帰ってきました。
ふぅ・・・。おそらくこれが私の限界点なんでしょう。これ以上は危険の文字がちらつきました。それと準備不足が露呈した形となってしまいましたね。距離、時間にして水の量が少なすぎました。
とはいえ、この旅感はホントいいですね。これを糧としてまたさらにイイ山旅が出来るといいなぁ。
日本百名山なのでスタンプもらいました!