前回の筑波連山縦走では長距離地獄でしたが今回は垂直地獄です。
去年の秋ごろでしたかねぇ。この両神山に行こうと思い立ちましたが日向大谷からという手もありましたが両神山というのはあのギザギザが特徴的ですのでそんなギザギザを歩きたいなということで八丁尾根を歩く計画を立てて、じゃぁ週末行こうと速攻で行動に移そうとしたのですがなんと登山口へ繋がる林道が災害で通行止めになっており、上落合登山口へのアクセスが出来なくなっておりました。非常に残念だったのですがこればっかりは仕方ありませんね。
そして、今回。反対側の坂本登山口から2時間ほど沢沿いを歩いて八丁峠へ行けることがわかり計画を立てて明日行くぜという時に上落合登山口への林道が先月5月に開通したとの情報を得ました。なので急遽上落合登山口からのルートを線引きして行ってまいりました。念願の八丁尾根コースでございます!
■2019年6月8日(土)
そんな中津川三峰口停車場線を登山口へ走ります。ほとんど車が通らないような感じのとこなのでなんだか不気味です。途中廃屋があったりカモシカが横切ったり。手掘り(?)のトンネルしかり。
登山口にこのようなスペースがあり、ココに車を停めます。中途半端な天気だからなのか思いのほか車は停まってませんでした。
この登山口から登りたかったんです。ずーっといろんなブログとか見てて羨ましがっておりました。
これも知っておりました。やっと私もカウントアップできます。
とはいえ油断ならないコースですので引き締めて行きます。
今回は今までの登山とは違って歩く前に二点ほど心がけていくことにしました。まずは「ワンミス即デッド」です。そうですいつものようにボーッと歩いてつまづいたりしたら即滑落に繋がります。なので足運びをドがつくくらい慎重にしなくてはいけません。そうです、
ド慎重です。
とくに一つのセクションが終了した時点で油断しない。たとえばクサリ場を降りきって体の向きを変える時とか登り切って立ち上がる時とか。掴むものがあれば掴んで方向を変えるとか、とにかくスローに動くということ心がけます。
そして二点目としては「クサリに頼らない」です。 出来るだけ岩の手がかり足がかりを見つけてホントにどうしようもなくなったらクサリに手を添えるくらいにとどめておく。そんな感じでしょうか。
一人の行動なのでここはホント慎重に慎重を重ねます。
まずは八丁峠を目指して登り始めます。八丁沢沿いを進み、源頭からは九十九折といった感じです。
1時間ほど登って八丁峠へ到着しました。
展望台にテーブルがあったので休憩をはさみヘルメットとグローブを装着し、まずは行蔵峠を目指します。
第一クサリ場発見っ!雨上がりなのでほんのりウェッティ。慎重にクリアしていきます。
ピン(?)が抜けないように固定してありました。細かいですねぇ。
出たっ!ほぼ垂直クサリ場!高さがありますねぇ!こうやって見ますとクサリがあるとこを通ってしまいがちですが実は右側の木が生えているとこを登った方が楽に登れました。クサリの位置に惑わされたらいけないことがわかりました。
だいぶ高度が上がってきました。垂直登りですのですぐに高度が上がります。効率いいなぁと感じました。景色は雨上がりって感じです。青と緑と白の世界。気持ちがイイ!
行蔵峠へ到着致しました。ここまではなんだか軽くジャブくらった感じです。ここからが八丁尾根コースの核心部分です。
まずはこの西岳へ向かいます。一旦急に降りて急に登る。おそらく今日はずーっとこんな感じなのでしょう。
ほとんどの岩は手がかり足がかりはありました。なのでほとんどクサリを使うことはありませんでした。とはいえあると安心感はあります。
先ほどの雲がどんどん上がって来て大きくなってきましたねぇ。これは雲海になりそう。
だいぶよじ登るのに慣れてきました。ほんと今回の登山は歩きません。そのほとんどが四つん這いです。鹿かっ!
西岳に到着しました。この時点で30分くらい予定より遅れております。しかし今回はこの時間を気にしない様にしました。気にしなくて済むように5時前から開始しています。まずは岩登りに慣れることが第一目標ですので時間はいくらでもかけようという腹積もりです。
さ、ここから東岳までが八丁尾根コースの核心部ではないでしょうか。対面にドドンとおっ立っておられます。いやぁそれにしても随分と降ろされますなぁ。そして降りてからがまたスゴイ傾斜を登ります。


え”~・・・。ここ降りるのぉ・・・。先が見えてませんけどぉ。めちゃくちゃ怖いです。なので最初から四つん這いにて開始します。
そして西岳東岳間のV字型鞍部へ降りてきました。


鞍部へ降りたからといって安全なわけではありません。さすがです八丁尾根コース!こんな高度感あるナイフリッジまで用意されておりました。ここも鹿になって歩きました。とてもじゃないけど人間のままじゃ歩けません。


さ、東岳への登りになります。数々のアトラクションを用意して頂いておりました。もうこのあたりになりますと岩に対しての登りはそんなに恐怖感はなくなりました。おそらくですが3点支持をしっかり守っていれば大丈夫だということが体で分かってきたからだと思います。
東岳登頂。西岳からは一時間もかかってしまいました。CTだと30分じゃなかったでしょうか。倍ですね。おそらく今日はこの調子なのでCTの倍かかることが確定です。
いやぁすばらしい眺望ですねぇ。小倉沢の谷が一望です。
やはり先ほどの雲はどんどん上がって来て増えて雲海を形成しておりました。幻想的です。神様が歩いてきそうです。しかしまぁ両神山、こんな見どころ満載な山なんですねぇ。すみません、両神山というより東岳でしたね。ところで西岳東岳というのは両神山の一部ということでよろしいんでしょうかね??
ベンチがありましたので休憩しました。
ここから両神山まではおそらく急深な地形ではないので普通の登山道とそんなに変わらないと思われます。
※音が鳴ります
お日様が照ってからはハルゼミが鳴いております。これも今日の目的のひとつでした。この声を聞くと夏がはじまるよー梅雨入りしますよーとなります。
もうないと思ってましたが、最後にクサリ場ありました。おそらくこれが最後。
9時になり両神山山頂へ到着致しました。日本百名山の名にふさわしい登り応えのある素晴らしい山だと思います。登山口から4時間もかかってしまいました。やはり倍ですね。
山頂は人でごった返しているかと思いましたがやはり天気が中途半端だからでしょうか私と日向大谷からいらっしゃった方と二人だけでした。その方も降りられて行かれたので結局のところ私一人でした。ものすごく多いという前情報だっただけに拍子抜けです。なのでこんな自撮りも自由自在です。
ちょっとした木陰で一休み。しばらく遠~い目になって山々を眺めてぼーっと過ごします。最高の時間ですね。
さ、引き返しましょう。またあそことかあんなとことかを登って降りなくてはいけないのですね。といった気持ちです。基本的に普段ピストン登山をしないのでこういった気持ちになっているのかもしれませんね。両神山山頂から上落合登山口まで直で降りれるバリルーはあるらしいのだけどルーファイする技術力もなければましてや素人一人で行動するにはあまりにもリスクがあるってもんです。なので素直に引き返します。あ、バリルーとかルーファイとかって略して言うのあまり好きじゃないにあえて使ってみました。すみません。
東岳に着いた頃にガスってきました。先ほどの雲海が上がってきました。
今回の山頂ではこの東岳がとても気に入りました。
イワカガミでしょうか?初めて見ました。かわいらしい。
行蔵峠を越えたあたりで雨が降ってきました。てんくらの予報通りです。本来であればとっくに下山完了しているはずだったんですがなにせ倍ですから仕方ありません。とりいそぎカッパを着こみます。
そして第一クサリ場へ戻ってきました。雨に濡れてイヤな感じですね。でも東岳西岳で降られなくてホント良かった。
ガスの中のツツジは本当にキレイです。色がより一層ハッキリするというか。
八丁峠へ帰ってきました。ホッとした瞬間です。
ベンチにて武装解除。今回ヘルメットは必要だということを痛感しました。落ちたらこんなヘルメット被ってても助からんやろとか思ってたんですが岩にへばりついてる時に足場を探るときや重心を移動するときとかにオーバーハングしてる岩に頭をぶつける時が何回かありました。これ被ってなかったら痛かったろうなぁと思う瞬間が。落石もそうだけどやはり岩場ではあった方がいいのではといった印象でした。
あと、グローブですね。滑り止めの付いた軍手でも十分だと思いますが指先が出ていた方がちょっとした窪みを探るのに感度がいいのではと思いました。とかいいながら写真見ると怪我しとるやん・・・。説得力なさすぎ。ま、とにかく素手じゃないほうがよいということで。
靴紐結び直してなぜか陽希さんのように走って降りました。たぶん帰ってこれて嬉しかったんだと思います。
途中の八丁沢で顔を洗ってごくごくと飲みます。めちゃくちゃうめー!源頭でしかも上になにもなくて伏流水だったので飲めると判断しました。しかしたまたまだったかもしれないのでおすすめしません。
そして下山完了。本当に垂直地獄でございました。ほんとバーチカルな世界でございました。今までに感じたことのない感覚でした。なにせ常に鹿ですからね。とても楽しかったのでここはまたいつか来ると思います。
日本百名山なのでスタンプもらいました!