今年もこのGWは奥秩父主脈縦走路に挑戦しようと思いました。おそらくは最後までは無理だと思われます。なぜならまだまだ甲武信ヶ岳方面は雪が1mほど積もっててテント泊装備でツボ足で歩く自信はありません。とはいえ準備だけはしておきました。
去年は奥多摩駅から石尾根を登りあまりの重さと長さに白目向いて奥多摩小屋泊の予定が七ツ石小屋になりその時点で計画が破綻し翌日雲取山を登り三条ダルミを経て三条小屋経由でお祭まで降りたのでした。とても悔しかったんだけどそれはそれ。やはりテント泊をナメテたとしか言いようがありませんでしたね。でもそのお祭のバス停でのとあるお二方との交流はいまだに忘れられません。挫折はしたけどあのヒトトキは本当に楽しかった。
そんな石尾根縦走?!の記事はコチラになります。
ukkarisangakubu2.hatenablog.jp
■2019年4月27日(土)
そして今年。まずはお祭からのスタートであります。そうです。そうなんです。奥秩父主脈縦走路は雲取山から三条ダルミまでは歩いたということで今年はその続きからやってやろうじゃありませんかっ!ということなんですよ奥さんっ!まぁそんなに鼻息荒くしても仕方ありませんがお祭から三条小屋まで歩いてまずは一泊。そして翌日は飛龍山方面へは向かわずにあえて雲取山方面へ向かい三条ダルミをスタート地点としました。そうです実質的に明日がスタートなんです。
なので本日は大好きなこの後山林道を3時間ほど堪能しようと思います。
ここはやはり広葉樹が素晴らしいです!
黄緑色と桃色が散りばめられています。
途中にワサビ棚がありました。美味しそうですねー!
そして黄色。見事です!これはヤマブキでしょうかね。
さすがっ東京都だけあります。
この時点でほぼ土砂降りとなっておりました。なかなかつらいんですがしっとりとした景色もなかなかのもんです。林道が終わり三条小屋まではあと少しですがここからがつらくなります。
しかしこの三条谷も素晴らしいっ!
黄緑の世界。
苔むした木。そして
ツツジの紫。
そしてひいこらと歩いて行きますと三条小屋のテントが見えて参りました。
本日のゴール。三条小屋に到着です。初日はこれぐらいで丁度イイ。それにしてもよく降りますなぁ。
去年と同じ場所に張りました。一段上だけど。
さ、明日はいよいよスタートラインに立ちます!どーなりますやら。
■2019年4月28日(日)
そして翌日。昨夜は思いのほか冷えまして4℃前後。これじゃ2月の雲取山とそんなに変わりません。なので睡眠は浅く接地面からの冷気がハンパない感じでした。おそらくそろそろマットを考えないとですかねぇ。無理しないでこういったエアマットとかの方がちゃんと寝られるのでしょうかねぇ。
出典:https://www.e-mot.co.jp/therm-a-rest/product.asp?id=155
変な固定概念とかやめて検討して行こうかなと思っております。
あ、話が反れてしまいましたが、朝4時前に自然と目が覚めて撤収開始して4:44には完了。5時前には出発出来ました。
明るさ的にはこんな感じでした。あえて露出をリアルな明るさにして撮ってみました。
ところどころに馬酔木が。かわいいですねぇ。あ、アセビというのは最近このブログコメントにて教えてもらいました。ありがとうございました。
三条ダルミまではこのような道を延々と歩きます。しかも1,000付近から1700mまで登りますので微妙にツライ時間帯となります。
キツツキのドラミングが聞こえましたので撮ってみましたよ。最後の方で聞こえてきますよ。
小一時間歩きましたでしょうか。石尾根方面からようやく太陽が顔を出します。
そして迂回路に出くわします。コレ想定外だったのだけど三条小屋のコース図には書いてありました。コースタイムの20分増しと書いてありましたが私の足では30分かかってしまいます。おそらく崩落でこのような迂回路が作られたと思いますがこの並々ならぬご苦労にほんと頭が下がります。
本来は無いところに道を作るわけですから簡単に通れるわけもなく、グインと急登で尾根をひとつ越える感じに作られておりました。
そして30分程で本線へ合流です。
道の状態はご覧のように霜柱で、まだまだガチガチに凍っており、ザクザクと逆アイゼン状態でしたので歩きやすかったです。これが融けると途端にタチ悪くなりますよね。
こういったロン毛もありましたがやっぱり霜柱は短髪角刈りがいいですね。あ、そんな話はどうでもいいですね。
道を阻むこういった倒木にもチョイとした細工がしてあり、乗り越えるのにとても助かります。じつにありがた死。
ちょうど8時に三条ダルミへ到着。途中水場があったはずですが枯れてたのか凍ってたのか気が付きませんでした。500mlくらい追加しようと期待してたので残念です。さ、ここからがスタートとなります。
三条ダルミからの富士山もなかなかのもんです。ゆっくり鑑賞していたいところですが北からの風がびょぉびょぉとスゴイ為、先に進むことにしました。
折り返すように上段のシャクナゲの中を進んでいきます。
そんなシャクナゲはまだまだのご様子。
バリバリバリバリ~っ!バキっ!
どすーーーーんっ!
しばらくすると熊笹道に。これがだんだんと鬱蒼としてきてしまいにはプチやぶ漕ぎ状態となります。まぁまぁツライです。
しかし行く手を阻むこういった倒木には切れ込みが。ありがた死。
30分ほど歩いたでしょうか。なんだか広いところに出ました。
狼平でした。
その昔ここにニホンオオカミが群れなしていたとしたらそれはそれは恐ろしい光景だったでしょうねぇと想像しながら歩きました。
そんな狼平からはグインと標高を上げてだいぶ高度感が出てまいりました。
最初あれが飛龍山かなと思っておりましたがそんなはずはなく、三ツ岩でした。
道も危険な感じになってまいりました。まぁまぁ神経使いますよね。テント泊装備だととくにそう思います。
そしてようやく北天のタルに到着しました。ここまでもそうでしたがここからもおそらく神経使う道でしょう。去年のAさんは七ツ石小屋からここまで歩いたわけですけどその状況、時間帯そして疲労度などを考えるとここからさらに将監小屋まで歩こうという気にはなれないのがこうやって実際に歩いてみてとてもよくわかりました。私の足では三条小屋からでも既にだいぶへばっておりました。
そんな北天のタルの分岐で休憩をしておりましたら一人の男性が通りかかったので挨拶しますと鴨沢から来たとのこと。すごいですよねぇ一日でここまで来ちゃうんですからねぇ。北アルプスの為の練習とのことでしたが今日は無理をせず丹波山村に降りるとおっしゃっておられました。そして歩き始めてすぐに立ち止まってザックを降ろしてなにかやられております。私も出発してすぐにそのことを認識しました。なんと切り立ったとこにある残雪がガチガチに凍っておりましてツルっといったら即Deadです。まじめにヤバいと思いました。その場はなんとかしがみつきながらやり過ごしましたが、本来であれば彼のようにすぐにチェーンなりつけるべきでした。猛反省です。
今後もそういった道がありそうだったのですぐにチェーン装着しました。
が!
飛龍山手前で切れてしまいました・・・。ヤバいです。これではプロペラを無くしたボートと同じです。そうです航行不能というヤツです。
とりあえずこの状態で飛龍山までの急登をヒーヒー言いながら登り、
飛龍山に到着しました。眺望もなくひっそりとした山頂でしたがここまでの道のりを考えますと達成感ハンパないですね。
小休止のあと飛龍権現へ降りてきました。急降下かと思いましたが意外とユルユルとした下りでした。そしてここから右に行けば奥秩父主脈縦走路で将監小屋までの道。真っ直ぐ行けば丹波山村へ降りる道となります。切れたチェーンのまま将監小屋まで行けたとしてもその先の残雪ざくざくの雁坂小屋に行ける保証が全くといっていいほどなくなってしまった今、今回の奥秩父主脈縦走路の旅は断念せざるを得ないでしょう。そのまま真っ直ぐ丹波山村へ降りるルートをとりました。
残念ではありましたがそれはそれ。気を取り直して今のこの行程を楽しむことにしました。飛龍権現からはチェーンを外しても問題なさそうでしたので外し、前飛龍へのよじ登り系岩をよじ登りますと・・・、
真っ白な看板がお出迎え。眺望もなく、それはそれは質素な山頂でございました。ところがさらにすすんだ小ピークにすばらしい眺望が待っておりました。おそらく今日一だと思われます。
ぱーん!と開けた眺望。奥多摩の山々、丹沢大山の山々、富士山、南アルプスなどなど270度ほどの眺望が広がっておりました。すばらしいです。
コチラが昨日登ってきた三条谷になりますがこうやってじっくりみてみますと谷だけが新緑なのがよくわかりますね。新緑というのは谷から始まるのですね。初めて知りました。
そんな絶景ポイントにとある御仁がおにぎりを頬張っておられました。話を聞くと今回は三条小屋から登ってきてその瞬間奥秩父主脈縦走路が繋がったとのこと。とてもうらやましい瞬間に出会うことができました。素直におめでとうございます!と伝えました。そのお方は日帰りが主で槍ヶ岳も日帰り、早月尾根も日帰りしてしまうとても健脚なお方でした。
そしてしばらくすると二人の60前後と思わしきお姉さま方が登られてまいりました。二人してきゃぁきゃぁと記念撮影をされておりそんな中私は降りて行きました。
丹波山村までは4時間ほどでしょうかねぇ。飛龍山からみますとざっと5時間もの下り道です。これもすごい長いですよね。そんな長い長い尾根下り、テント泊装備ですからちびちび歩いて熊倉山に到着しました。後ろから先ほどのお姉さま方が追い付いてこられ、こっちだよね?降りるの?と相方に話かけておられました。そんなこっちだよね?といった方向があらぬ方向だったので思わず「あ、あのぉココ降りるんですか?」と聞いてみたところなんとそのお方たちはバリエーションルートを探り楽しんでおられる方々でした。20年も奥多摩に通っておおかた通常登山道は行き尽くしたので今はこうやって山を楽しんでいるんだとのこと。
しかしもう一方の相方がそっち降りてもバス停遠いから今日はもう普通にサヲラ峠まで降りよう。とおっしゃいましたので結局そのお方たちとは奥多摩駅まで一緒でした。その間いろんな話が聞けてとてもためになったし面白かったです。ありがとうございました。
ここで思いましたが山ではこうやっていろんな方とお会いすること機会がありますがそんな中でもこういった年配の女性の方というのは本当に純粋にそして貪欲に山と接しておられるのだなぁと感じます。心の底から山を楽しんでいらっしゃいますよね。なのでお話していてもコチラも楽しい気持ちにしてくれます。
そんな熊倉山から丹波山村までは2:30くらいでしょうか。非常に長い長い下りで結局丹波山村に着いたのは17:00で活動開始5時から12時間が経過しておりました。12時間も15kgを背負ってたかと思うとバカじゃないの?と自分で思ってしまいました。そんな奥秩父主脈縦走路の旅は今回は終了。終わった直後はもうこんなこと二度とやるか!と思うんですが暫くたつとすぐに気が変わり、これからはこうやって刻んでいつかは繋げようと思うようになりました。
いい旅でございました。