うっかり

山のこと、釣りのこと、自転車のこと、鳥のこと、道具の試行錯誤

中倉山に登ってきました

本来であれば今週は「妄想サイクリング&登山」を書こうかと思っておりましたが、土曜日一日だけ晴れたので中倉山に登ってきましたよ。なので現実登山となります。なんだか妄想と現実を行ったり来たりしてますな。

テレワーク、自粛、妄想と、ここ4ヶ月ほど家に引きこもっておりましたのでおそらく体力は相当落ちているのではないかということが予想できました。なので今回はこの程よい感じの中倉山を選んでみたんだけど、実際のところ思ったよりずっと急登でして、ブニブニと太ってドロドロ血流の今のうっかりのこの体にはとてもつらい山行となってしまいました。予定だと稜線を辿って沢入山まで行くはずだったんだけど中倉山到着のころには頭がボーっとしており、こりゃ熱中症の初期段階だなと判断して中倉山から孤高のブナを経由して降りてきました。

 

■2020年6月27日(土)

 

前日にてんくらで天気みてみたらAとな。どうやら一日だけ晴れるようで。梅雨の最中のこの晴れ間はとても貴重ですよね。水を吸ってフレッシュな木々も見られるし、ハルゼミや野鳥たちもここぞとばかりに活発に活動するはず。おそらくですが梅雨の晴れ間が一年のうちで一番山が活気づく瞬間なんじゃないでしょうかねぇ。ここは行っておかねばとそそくさと準備しだします。

 

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朝(?)2時に起きて2時半に家を出て、下道で3時間半。のんびりとドライブ。粕尾峠を越えれば足尾に到着です。銅(あかがね)親水公園の駐車場に車をとめるんだけど、到着6時の時点で2、3台の空きしかありませんでした。思いのほか人が居たのでちょっと的外れだなーと思ってしまいました。というのも自粛解禁とはいえまだまだコロナが無くなったわけでもなく、職場もまだテレワーク継続とのことで出来る限り密な山じゃないところで登ろうと考えました。で、この中倉山を選択してみたのだけどみなさん同じ思いだったのかもしれません。とはいえ、人気の山々と比較すれば人が居ないに等しいのかと。

 

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ここ足尾には初めて訪れてみましたが、まだ製錬所跡が残っておりました。山が禿げあがるくらいの大気汚染がどれくらい酷かったのかは今となっては想像もできないですね。

 

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登山口までは松木川を渡って1時間ほど林道を歩くようです。

 

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登山口に到着しました。実はオイラ、ココに到着した時点で既に息が上がっておりました。登山口で息が上がってるって・・・。いかに堕落した生活をしていたかがまるわかりですね。やはり、家にいたとしても少なからずトレーニングは必要な歳のようですね。いまだに現役を続けるキングカズは普段から並々ならぬ努力をされているのでしょうね。オイラ、そんなキングカズよりも2つ年下なんすけどね・・・。ホントに真剣に考えなくてはいけませんね。キングカズまでとは言いませんが普通に山に登れるくらいの体力はキープしておきたいところです。

 

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山に入ると梅雨の合間のフレッシュな木々たちがお出迎え。やっぱり山はイイ!ぜはぜはと息は上がってるのだけど見上げると陽の光に照らされたグリーンと湿気を存分に吸収しているキノコの類。そして木々の枝を飛び回る野鳥たち(ヤマガラでしょうかね)。このあたりも江戸、明治のころには禿げてたんでしょうかねぇ。

 

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やっとこさ尾根に登りつめました。ここまではほぼ直登で湿気の多い沢筋の為、道もドロドロでとても登りづらかったんだけどいやいやちと待てよと、ただてめぇの体力がないだけじゃんと自分で自分に言い聞かせました。

 

youtu.be

好きなんでハルゼミの声は必ず撮ってしまいますね。ほんと癒されます。

 

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足尾地区を見渡せる場所に出ました。あそこからモクモクと有毒ガスが立ち上り続けてたかと思うとゾッとしますね。なんだか今回の山行はただ単純に「わーキレイ!」だの「イイ景色ぃ!」だのと言えないような気がしてきました。

 

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しかし、自然というのは長い時間をかけて修復する力を持っていると思っています。人間がこれ以上何もしなければたとえ何十年何百年かかっても山は元の姿に戻っていくのでしょう。ホント「ごめんなさい」といった気持ちになってしまいました。

 

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さ、本題に戻しまして、ここから山頂までは尾根道となりますが、すでにへばってるオイラにとってこの光景はとてもツライ光景となります。いやぁ~登山始めた頃の気持ちを思い出しました。今こうやって写真で見るとこんなにも素敵な景色なのにその時点では素直に喜んでいないという・・・。

 

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遠くにどっしりと男体山が鎮座されておられます。手前の山の向こう側には中禅寺湖や戦場ヶ原が広がっているのでしょうか。

 

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さてさて、やっとこさ本日のビクトリーロード。中倉山の山頂が見えてまいりました。その向こうには沢入山のお姿も。

 

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中倉山に到着です。撤去されたのかふっ飛んでったのか中倉山の標識が見当たりませんでしたのでアレ?と思ったのだけどGPSでココが山頂となっておりました。

 

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山頂から見た沢入山への稜線。この標高で森林限界風な景色。プチアルプスと言われるのもわかる気が致します。確かにキレイで素敵な景色ではあるのだけど、これを「わーキレイ!」と素直に手放しで喜べるかというとそうでもありませんでした。やっぱり人がやってしまったものだからでしょうかねぇ。

 

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登ってきた反対側は今でもこの状態。これが3,000m級の森林限界だと「わぉ!」となるところですがただただ痛々しい限りでございます。

 

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なんだかどんどんネガな方向に行ってしまいそうなのでここら辺で戻しますが、遠くには皇海山のお姿が。あそこまで縦走するぞ!と意気込んでた時期もありましたが最初のピークである中倉山でコレですから行けるわけありませんね。でも庚申山からのコースだとどうでしょうかねぇ。いずれ行ってみたい山ですね。

 

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そして、本日のメインイベントである孤高ブナ。このブナはいつからここに立っているのでしょうか。鉱毒の生き残りなんでしょうか。それとも後から生えてきたのでしょうか。全く調べていないのでわかりませんがこの地でよくも根を生やしてくれたなぁと逞しさを感じました。ホントは抱きしめてあげたかったのだけど柵が設置されてたのでそれは叶いませんでした。確かにこれはそっとしとかないとですよね。自然に見せたいので柵が見えない位置まで移動して撮ってみました。青と緑と白。そんな世界を狙って撮れたのでこの時点で今回の山行は完了ですので下山します。(あ、あれ?沢入山は?)

 

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下山途中にあった展望的岩場。仁田元川筋が一望ですね。誰もいなくてほとんど人が通らないとみるや、

 

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だら~んとしてみたり、

 

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凍らせて保冷バッグに入れて持って来たみかんゼリーを「くぅ~!うめー」と食べたり、

 

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自撮ってみたり。

 

20分ほど休憩したでしょうかね。イイ時間でした。

 

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キレイなダケカンバを見かけました。白くてキレイ。ん?白くて?あれ?シラカバかな?

 

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尾根道から沢筋の黒いドロドロ地帯に戻ってきました。もうこの頃になると頭が酸欠だからなのか常に立ちくらみのような状態となっておりまして、3歩歩いてはハァハァと息が切れてしまいます。もう重症ですね。無理して沢入山行かなくてよかった。

 

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ふぅ・・・、なんとか登山口に到着しました。これはほんっとどうにかしないとイケマセンね。次回は近々にでもまたどこかに登ってもう少し様子もみてみますかね。

 

梅雨の晴れ間。ん~・・・堪能致しました。人の手によって破壊されてしまった痛々しい山々を目の当たりにして、本来であれば自然を大事にしようぜ!となるところなのだけど、そればかり言ってるとこれまでの発展はなかっただろうし、かといって人間が好き勝手やっていいかてぇとそうでもないし、その両方のバランスなのでしょうか。これからはそのバランスを保って行く時代にもうなっているのでしょうか。世の人々の意識も高度成長期時代から比較すると随分と変わってきているような気が致します。

 

イロイロ考えさせられる珍しい山行となりました。